離婚の準備その2 どこに住みますか(持ち家)
1 「住むところ」を分ける
こんにちは、弁護士の狩野です。
離婚するのかしないのか。
前回は、これを決める前の準備として、離婚した場合に分けることになる「お財布」についてお伝えしました。
離婚した場合に夫婦で分けることになる財産、つまり「財産分与」の対象となる財産には、お財布のほかにもう1つ、「住むところ」があります。
今回は、この住居の財産分与について考えてみます。
2 離婚後、どこに住むかを考えましょう
離婚すると仮定した場合、あなたは今住んでいる家に住み続けることを希望しますか。
あるいはそこを出て、別のところで生活することを希望しますか。
住み慣れた家から離れたくないとか、子どもを転校させたくないとか、あるいは引っ越して心機一転別の場所で生活したいとか、あなたなりのご事情があると思います。
まずはその気持ちを大事にしてください。
その上で、どうすればその希望は叶うのか、叶わないとしても次に良い方法はないのかを考えていくとよいと思います。
では、どのように考えていけばよいでしょうか。
3 持ち家の場合
まず、あなたが今住んでいる家が、持ち家の場合です。
⑴ あなたが離婚後、その家に住むつもりがない場合
この場合、財産分与の方法として、
家を売却して利益を相手と折半する方法
相手が家を取得し、あなたが家の評価額の半分程度を現金などでもらう方法
などが考えられます。
相手がこれらの方法に同意するならば、家の名義が誰であるかは、さほど問題になりません。
また、住宅ローンが残っていたとしても、売却代金で完済できる額ならば、問題ありません。
なお、オーバーローン(家の時価よりも、住宅ローンの残債務の方が多い場合を言います。)の場合には、家を売却した後に残った住宅ローンの負債をどうするかという問題が生じますが、少し細かい話なので、ここでは割愛します。
⑵ あなたが離婚後も、その家に住みたいと思う場合
この場合、住宅ローンについて考える必要があります。
ア 住宅ローンが完済されている場合
あなたがその家を取得し、その家に住むことになります。
もっとも、家を取得する分、そのほかの財産を相手に分ける必要があります。
たとえば、家の価値が1000万円で、そのほかに夫婦の財産がないとします。
財産分与を2分の1ずつとすると、あなたは1000万円の家を取得する代わりに、500万円を現金などで相手に渡す必要があります。これを「代償金」と言います。
このように、代償金を用意できるかという問題が発生します。
イ 住宅ローンが残っている場合
家の所有者・住宅ローンの借主名義人が誰かという点と、あなたの支払い能力が重要です。
なお、オーバーローンの場合には考え方が異なるため、オーバーローンではないことを前提とします。
① 所有者・住宅ローンの名義人があなたで、支払能力に問題がない場合
あなたが家に住み続けることは、代償金の問題がクリアできれば、認められそうです。
この場合の代償金は、家の評価額から住宅ローン残高分などを差し引いた分について問題となります。
② 所有者・住宅ローンの名義人とも相手の場合
住宅ローンの名義人を変更するためには、貸主側である金融機関の同意が必要ですが、簡単には同意してくれないのが実情です。
そして、あなたが一人でローンを支払っていくことが難しいようであれば、あなたがその家に住み続けることは難しいかもしれません。
他方、あなたが一人でローンを支払っていけるようであれば、あなたが家を取得してその家に住み続けることも可能です。
この場合、住宅ローンの名義は相手のままですが、実際にローンを払うのはあなたということになります。
これを「重畳的債務引受」や「履行引受」と言います。
また、この場合、家の所有権登記をいつあなたに移転するかという重要な問題も出てきます。
⓷ 所有者・住宅ローンの名義人が夫婦の場合
住宅ローンについて、「連帯債務の内部分担を明確にする」ということが必要になってきますが、やや難しいのでここでは割愛します。
4 弁護士に相談した方がいい場合
さて、最後の方で、難しい法律用語が出てきてしまいました。
実際に、住宅ローンのある家については、今後のローンの支払い方法や所有権移転登記の時期をどうするかなど、慎重な判断が必要な問題があります。
判断に迷うような問題が出てきた場合には、弁護士に相談するのがよいと思います。
次回は、家が賃貸だった場合について、お話しします。
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