離婚を考えたときに、まず準備したいこと

家とたくさんの紙幣と硬貨が散らばっている

1 情報集めが重要です

こんにちは、弁護士の狩野です。

離婚するのかしないのか。

これを最後に決めるのは、理屈ではなく、感情や気持ちの部分が大きいかもしれません。

それでも、自分の感情や気持ちを納得させるためには、情報が必要です。

離婚したい・したくないという感情の部分はいったん措いておき、冷静に情報を集めてみましょう。

また、離婚は決意したけれど準備の仕方が分からないという人も、情報不足という点では、離婚を迷っている人と同じです。 ここでは、どのような情報を集めたらよいかを考えてみましょう。

2 離婚したらどうなるか~財産分与~

ここで、前回の記事の復習です。前回、まず重要なことは、あなたの立場が有利なのか不利なのかを知ることとお伝えしました。

その次にしたいことは、「離婚したらどうなるか」を考えることです。

結婚するときに一緒になったものは、離婚するときには分ける必要があります。

結婚するときに一緒になったもの、それは多くの場合、住むところとお財布です(ここでは「お財布」は、住居以外の財産をいうこととします)。

「結婚後も別居しているし、お財布も完全に別々です」という方でない限り、住むところとお財布を分けることについて、考えることになります。

これがいわゆる「財産分与」です。 生活をするためには先立つものが必要ですから、まずはお財布について考えてみます。

3 相手のお財布の中身を知っていますか

多くの方が、「離婚するときは、夫婦の財産を2分の1ずつに分ける」ということを既に見聞きしていると思います。

確かに原則はそうなのですが、2分の1に「しなければいけない」ということではありません。

夫婦で話し合い、双方が納得すれば、自由に財産を分け合うことができます。

ですからまずは、あなたがどのように財産を分けたいと思うのかを自由に考えてみましょう。

そうすると、あなたはすぐに気付くはずです。

「相手がどのような財産を持っているか、調べないと。」

そうなのです。財産分与で一番と言っていいほど重要なことは、「相手の財産を知る」ことです。

住むところ(住居)と異なり、お財布、つまり現金や預貯金、株、保険金などの財産は、他人が探し出すことが困難なものが多いといえます(お隣さんが現金、預貯金をいくら持っているかなんて、誰にも分かりません。)

そうであれば、離婚の準備として、相手のお財布の大きさや中身を正確に把握することがとても重要です。そしてこの情報は、同居している場合の方が、別居している場合よりも集めやすいといえます。

ですから、「離婚」の二文字が頭をよぎったときにまず準備すべきことは、「相手の財産を知る」ということなのです。

4 相手の財産の調べ方

それでは、相手の財産を知るためには、どうすればよいでしょうか。

⑴預貯金

まず思い浮かぶのは、預貯金口座でしょうか。相手が使っている口座全てについて、通帳を確認し、表紙や取引履歴部分のコピーが取れれば万々歳です。そこまでできなくても、銀行名と支店名を知るだけでも十分です。キャッシュカードや、銀行などから送られてきた書面があれば、コピーを取っておきましょう。

⑵株式

年配の方であれば、若い頃からコツコツ買い溜めてきた株式がありそうです。また、「貯蓄から投資へ」の流れを受けてか、最近では若い方でも株式を持っている方が多いようです。株式については、証券会社から定期的に送られてくる配当関係の書類などが資料となり得ます。そのような書面があれば、コピーを取っておきましょう。

⑶生命保険

生命保険などの保険全般についても、ある一定時点での解約返戻金相当額が、財産分与の対象となり得ます。解約返戻金とは、「その時点で保険を解約した場合に戻ってくるお金」のことです。相手がどのような保険に入っているのかについて、把握しておきましょう。保険証券があればベストですが、秋以降に保険会社から送られてくる年末調整用の書類もいい資料です。

⑷退職金

相手が会社員や公務員である場合、将来支給されるであろう退職金も、財産分与の対象となり得ます。もっとも、これについては、勤務先さえ分かればよいので、資料を集める必要は特にないでしょう。

5 財産分与の相談は、渋谷リヒト法律事務所へ

ここでは簡単に、相手の財産を調べることの重要性や調べ方についてお話ししました。

もっとも、ここに挙げたもの以外でも財産分与の対象となる財産はありますし、その調べ方についても、具体的な状況に応じて様々です。

財産分与ってよく分からないなと思ったときは、ぜひ渋谷リヒト法律事務所にご相談ください。

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カテゴリー: 財産分与, 離婚